#034
2024.08.21
ゼミの授業をきっかけに「FP3級、2級に連続合格!」
目標を達成するごとに自信が積み重なっていく。
経済学部経済学科関根 寛人 さん
将来に役立つことを学びたいと経済学部を選んだ関根さん。そのため大学進学後は、就職で活かせる資格を取りたいと考えていました。そんな時、所属するゼミで学ぶことになったのが、ファイナンシャルプランナー(FP)。資格取得の勉強や普段の授業を含め、高校とは違う大学での学び方や学ぶ姿勢などについて、経済学部がある名城公園キャンパスでインタビューしました。
「好き」や「得意」よりも、興味のあるジャンルを進路選択の軸に。
大学の学部選びで、まず考えるのは「何を学びたいか」ですよね。僕が経済学部を選んだのは、シンプルに「将来に役立つ学びができそうだ」と思ったから。日頃、親がよく見ていたテレビ番組はNHKのニュース。意識して見ていたわけではないけれど、社会の動きやお金の流れがわかる経済のニュースは、日常生活に関わる内容で、高校生でも興味を持ちやすかったんだと思います。当時は日本史が好きで得意だったけれど、大学で学ぶなら将来につながる内容が良いという考えでした。
そのため進路選択は、経済学部のある大学で、自宅から通学できる距離にある国公立大学を第1希望に受験勉強に取り組みました。同じく大学進学を目指す双子の兄と一緒に、1日の大半を学校と塾で勉強する毎日。それでも受験とは何が起きるかわからないもので、大学入学共通テストでは実力を発揮できず、2次試験も残念な結果に。一方で、並行して受験した愛知学院大学は合格し、さらに特待生に選ばれるという予想外のサプライズがありました。地道に勉強してきた努力が認められたうれしさと自信、そして特待生制度によって学費がおさえられる点も自分にとって進路選択のポイントになり、愛知学院大学への進学を決めました。
主体的に学ぶ方が身が入るし、勉強がもっと楽しくなることを知ったゼミでの学び。
大学進学後、高校との学び方の違いを感じました。大学では基本的に誰からも指示がない分、自分で目的や目標を見つけて取り組まないといけない。そのことを実感したこともあって、2年生から始まるゼミは、金融が専門で、長年銀行に勤めていて実務経験が豊富な水野先生のもとで学びたいと思いました。水野ゼミの面白さは、何と言っても経済を自分事のように体感できるリアルさ。その1つが『名証株式投資コンテスト』への参加です。ゼミのメンバーと3人1組になり、仮想資金計300万円を元手にして名証上場している銘柄(取引する対象のことで、株式投資の場合は企業名)を対象に、決められた期間内でバーチャルな売買を行って最終的に元手をどれだけ増やせるかを競うコンテストです。どの銘柄を選んで、どのタイミングで売買するのかなどをチームで戦略を立てながら決断していく過程は、コンテストであれ、身をもってお金の動きを学ぶことができた経験でした。他にも専門的な経済や金融の教科書を要約して、わかりやすく説明できるようにプレゼンテーション力を鍛える機会も多く、そんな主体的に学べる水野ゼミで知ったのが、ファイナンシャルプランナー(以下、FP)でした。
FPの資格取得が大学生活の目標になり、集中力を取り戻すきっかけに。
FPとは一言でいうと「お金のエキスパート」。金融、税制、不動産、保険など、お金に関わる幅広い知識を用いて、人それぞれの将来の目標や夢に沿った資金計画などをアドバイスする専門職です。ちょうど就職活動にいかせる資格取得を考えていたタイミングもあって、FPの資格取得が大学生活でかなえたい目標の1つになりました。
ゼミでFPの授業を受けながら資格取得に向けて勉強を始めたのは、2年生の秋学期(9月)から。まず目標にしたのが3級の取得でした。1月にあるFP3級の試験まで約4ヶ月という中、勉強への集中力が欠けていることをひしひしと感じたんです。高校では「受験」という目標があって、大学進学に向けて四六時中勉強していたので、自然と集中力が高まって継続できていました。ところが大学に入ると、勉強に専念する時間は定期試験の時ぐらい。集中力が落ちているのも当然です。特に3級取得に向けた勉強中は、通常の授業でやるべきこともあれば、定期試験も重なっていました。そこで、1日のうちのいつ・どれくらいの時間をFPの試験勉強に使えるかを計算して計画を立てました。正直、初めての試験で不安がなかったわけではありません。そんな気持ちもありながら、通学時の電車内や、授業と授業の間の空き時間などのわずかな時間も使い、集中したかいあって無事3級に合格できました。
ほんの少し先にかなえたい目標があるだけで、時間の使い方や意識も変わる。
限られた時間を計画的に使って取り組んで合格できたことは、受験勉強とはまた違う自信につながりました。3級取得の次に目指すのは2級。2月の合格からわずか3ヶ月後の5月に試験が迫ったタイミングでチャレンジするか、あるいは半年以上先の9月に試験を受けようか決めかねていた時、水野先生から声をかけられたんです。「3年生から就職活動が始まる。夏には企業にインターンシップにも行くでしょう。それまでにFP2級を持っていると、より充実した経験ができるよ」と。そのアドバイスが後押しになって、2級取得に向けて試験勉強を継続することに。ちょうど春休みがあったので基礎を中心に復習しながら、休み明けからは問題集を追加して過去問にも取り組みました。春休み中は勉強の合間に友達と旅行に行ったり、一人旅も楽しみましたが、無事2級も合格!3級と2級、1回ずつの挑戦で立て続けに取得することができ、自分以上に水野先生の方が驚いていたようでした(笑)。
FPの資格取得は必然だった!? 進路選択の時から意識していた学費のこと。
FPの勉強をするまで意識したことがなかったのですが、両親もFPの資格を持っているんです。2人とも大学を卒業して証券会社で働いていたので(母はすでに一線を退いていますが)、中学生の頃から何となく「自分も大学まで行くんだろうな」というイメージを持っていました。そして大学進学が将来の可能性を広げるきっかけになることを、働く両親を見て感じ取っていたのかもしれません。
実は目指していた国立大学の結果が出た後、先生に勧められて愛知県外の公立大学を受験、合格もしたんです。でも私立の愛知学院大学を選んだ。理由は、自宅通学できて特待生として入れる方が魅力的だったからです。単純に学費だけを考えたら、私立大学より公立大学の方が費用をおさえられるのかもしれませんが、一人暮らしをしたいという気持ちはなく、当時から先のことを考えて大学4年間にかかる費用を計算していたんです。そんなお金のことを意識してしまう自分は、やっぱり経済学部が向いていたのかもしれないと思うくらい(笑)。だからお金に関わる知識を習得するFPの勉強も、覚える量が多くて大変だったけれど、さほど苦ではなかったのかなと思います。それにFPの勉強で得た知識は、誰かのためはもちろん、自分のためにもなりますから。
大学は心のままにチャレンジし、入れば確実に視野も可能性も広がる。
自ら目標を見つけることが大学での学び方だと気付けたのは、FPの資格取得があったからです。おかげでFPそのものに興味を持つことができ、普段の勉強も主体的に取り組む楽しさを知ることができました。将来の目標はこれからですが、金融系に加えてIT系の仕事も面白そうだなと最近感じています。そのため次に目指す資格取得は、情報処理技術者試験のうちの1つで、国家試験であるITパスポート。色々なことに挑戦して、1つずつ積み重ねられるのが大学生の良さだと感じます。僕自身、FPの勉強以外にも、水野ゼミで多かったプレゼンテーションのおかげで、苦手だった人前で話すことも少人数ならできるようになりました。入試で選抜された特待生は、2年生・3年生の進級時も引き続き高成績を維持することができ、選ばれ続けています。経済学部でできた友人は自分とは真逆のキャラクターの友人も多いですが、愛知学院に入ったから出会うことができた存在。おかげで高校時代より今のほうが圧倒的に充実しています。
▲2年生の春休みにはFP2級の試験勉強の傍ら、同じ経済学部の友人たちと福岡旅行へ。
▲福岡、東京、仙台など、大学生になって旅行が好きになったという関根さん。
僕の進路選択は、将来に役立つ学びをしたいという大きな軸で考えたことで、視野が狭くならず、むしろ広がる選択ができたと感じます。最終的に愛知学院に進学し、勉強も大学生活も楽しめる場所にすることができたのは、深く考えすぎず心のままにチャレンジしたから。大学に入ればさらに視野も可能性も広がるので、「この大学に入らねば!」と限定しすぎたり焦ったりせず、たくさんの選択肢の中から自分なりの選択をしてほしいと思っています。