道標

経営者として大切にしていることは何ですか？

社員が心地よく働ける環境を提供することです。みんながやりがいを感じながら仕事に取り組むことができれば、会社が自然とよくなっていきます。そういう環境を整えることは、経営者としての責任でもあると感じています。人との関係を築くうえで大切にしているのは、嘘をつかないこと。自分の短所も含めてオープンにすることが必要です。みなさんには、まわりの人々と接する際には、「ありがとう」という気持ちをもって接することも心がけてほしいです。正に愛知学院大学の建学の精神にもある「報恩感謝」です。この気持ちがあれば、いつも前向きな姿勢で行動できます。また、失敗や苦労を他人や社会のせいにせず、自身の成長につなげてほしいです。

やりがいを感じる瞬間をおしえてください。

一番うれしい瞬間は、社員が「この会社にいてよかった」と言ってくれることです。働くことは大変なことですが、社員全員に「この会社に勤めてよかった」「自分の息子や娘もこの会社に入れたい」と思えるような会社にすることが目標です。また、お客様と一緒にものづくりをしているなかで、お客様から社員への称賛を受けることもうれしい瞬間です。それは何よりも価値のあることだと感じています。私たちは自動車部品製造に携わっています。名古屋や三重県桑名で地元に密着した仕事もしていますが、実は80%は海外の車に使われる部品を製造しています。海外へ行ったときは、空港を降りて、駐車場に停まっている自動車を見ることが楽しみです。そして、ものづくりを通し、その国の生活を支える一翼を担えていることに誇りを感じています。

愛学生に向けてメッセージをお願いします。

時間がある学生のうちに、海外に行って知見を広めたり、やりたいと思ったことには積極的にチャレンジしてほしいです。絶対に自分のプラスになります。就職活動に正解はありません。自分がどのような人生を歩みたいかが重要。気になる企業を見つけたら、まずはホームページを見てみましょう。その次は直接話してみる。５分でもいいので企業に足を運んでみてください。空気を感じるだけで印象が全然違いますよ。会社が７０年を超えて改めて思うのは、「継続は力なり」ということ。遠回りをすることもあるかもしれませんが、無駄になることはありません。続けていれば必ず自分の力になりますよ。