#017
2022.12.05
人とのつながりから広がった新しい道。その道が未来につながると信じて。
文学部 英語英米文化学科 2年生小吹 悠 さん
大学入学時に新入生代表スピーチをしたことをきっかけに多くの人と関わることになった小吹さん。大学に入ってからボランティアやセミナー、PR大使など新しいことに挑戦する機会が増え、大きくイノベーションしたと語る小吹さんを紹介します。
バスケットボールをきっかけに興味をもったアメリカという国と文化。
アメリカに興味を持ったきっかけは子どもの頃から続けているバスケットボール。プレイするだけではなく北米で展開するプロバスケットボールリーグのNBAの試合をよく観ていたので、アメリカという国そのものに興味をもちました。また、幼い頃から英会話スクールに通っていたということもあり、英語が得意なので大学では得意を生かしながらアメリカのことを勉強したいと思っていました。
英語英米文化学科を知ったのはオープンキャンパスです。この学科ではドラマや映画、スポーツなどを通してその背景や歴史、文化を勉強する授業があると知って面白そうだと感じました。また日進キャンパスは思い描いていた通り広くて華やかな所だったので新しい勉強をするならこんな場所がいいなと感じて、この学科の受験を決意。将来は留学したいとも思っていたので少しでも学費の負担を少なくするために猛勉強。その結果、特待生として合格でき、2年生になった今も勉強に力をいれて特待生をキープしています。
1年生の時はコロナ禍の影響を受けましたが、今ではアメリカの文化や人種問題、植民地の歴史など大学ならではの学びがあり、TOEICのスコアアップもできているので、この学科を選んでよかったと思っています。
ジェスチャーをしながらインタビューに答える小吹さん
大学に入った瞬間に出会った新しい自分。
入学式の直前に大学から「新入生代表スピーチをしていただけませんか?」とオファーがあった時は驚きました。もともと表に出るタイプではなく目立つのが苦手だったので断ろうと思っていたのですが、家族から背中を押されて引き受けることに。これから一緒に勉強する同級生とはいえ、まだ話したことが無い人たちばかり。学長や教授、保護者の方の前で今までに感じたことのないプレッシャーの中、何とか無事にスピーチを終えました。
コロナ禍の入学式。スピーチはオンライン配信されました
スピーチが終わってほっとしたのも束の間、同級生や色んな人から「新入生代表のあいさつした子だよね?」と声をかけられることが増えて、否が応でも目立つ状況になってしまったと気づきました。高校生までは目立つ方ではなかったので戸惑いもありましたが、アルバイトやボランティア、セミナーなどに誘われて一緒に参加する機会が増えて今までより行動的になったと感じています。
以前は行動に移す前に考えすぎてチャンスを逃してしまうこともありましたが、「まず一歩踏み出してみよう」と思えるようになりました。考えすぎてしまうところは今でもありますが、考えながらも行動に移せるようになったのは大学に入ってから大きく変わったところです。
オープンキャンパスで学科代表の「PR大使」を務めました
自分の興味と将来を考えて選んだゼミ。
大学では講義形式の授業だけではなくグループワークをする機会も多くなるので、日々難しさと面白さを感じています。内容はその時々で変わり、自由に意見を出し合うときもあれば一つのテーマや課題に沿ってワークを進めていくなど様々。ワークをする度に新しい発見があり、同時に反省することもあります。
また先日参加したホテルでのインターンシップでもグループワークがありましたが、その時も意見のまとめ方や進行の仕方に課題が残りました。就活や社会に出てからもグループワークをする機会はあると思うので、ゼミの選択ではコミュニケーションスキルやチームビルディングなどを学ぶためにもグループワークを取り入れている大澤ゼミを選びました。
国際関係論の大澤 傑 先生
大澤ゼミは英語英米文化学科の中でも国際や社会問題に特化したゼミで、どの国を題材にするかは自分次第なので自分が好きなアメリカのことを選択できるのも魅力の一つでした。大澤先生はとても冷静で理解のある先生です。色々な国のことを学んでいらっしゃるので考え方や物事の捉え方の視野が広くて尊敬しています。
先日もグループ内で意見がまとまらずに行き詰まっていた時に、ハッとするような新しい視点で考え方を提案していただきました。課題などについて相談した時もいつも一旦すべてを受け止めた上でアドバイスを下さります。ゼミの活動が本格化するのはこれからなので今後のゼミ活動が楽しみです。
大澤先生には講義後もよく質問させていただいています
自衛官やパイロットの方も参加する「外交・安全保障サマーセミナー」に参加。
大澤先生からの勧めで今年の夏に参加した「外交・安全保障サマーセミナー」という学外のセミナーでは圧倒的な知識と経験の差を痛感することになりました。
このセミナーは外交や安全保障について興味関心がある大学生や大学院生、若手の社会人が全国から参加するもので、自衛官やパイロットの方も参加していました。わたしは英語や社会勉強を兼ねて参加したので、まわりは目標が高い方々ばかりで圧倒されました。
3日間にわたって専門家による講義やトークセッション、グループワークや懇親会を行いながら交流と知見を深めていくプログラムの中で、最も難しさを感じたのは「ポリティカル・ミリタリー・ゲーム(以下ポリミリとする)」です。
セミナーの講義は新しい学びがたくさんありました
ポリミリは外交をテーマにしたロールプレイングゲームのことで、実際に起きている国際問題をテーマにしたグループワークのようなもの。日本では馴染みがないですが、アメリカでは政府機関や大学などで盛んに行われているようです。今回はウクライナとロシアの戦争に関するテーマで、わたしはEUチームの書記という役割でした。実在する大統領や外交官になりきって役を演じるので、変装してまで参加する人もいて驚きました。
ゲームとはいえ、それぞれの国の事情をしっかり把握して交渉したり会談したりするので、高度なレベルの話し合いが行われました。時には絶妙な駆け引もあり、すべてのやりとりがとてもリアルでした。白熱するあまり想定外の行動に出る人もいてゲーム中に話が決裂してしまうことも。正直なところついていくのが精一杯でしたが、専門家や現場で働く方々の交渉の進め方はとても勉強になりました。
セミナーで感じた圧倒的な経験の差。常に冷静さを失わず行動することの大切さ。
ポリミリのEUチームではたくさん意見交換をしました
今まで経験したグループワークでは知識や経験に差があったり意見がまとまらなかったりしただけで話が脱線することがありましたが、ポリミリではそんなことはほとんど起こりません。難しい課題について話し合っているにも関わらず、常に情報が整理されていて全員が今やらなければならないことを把握しているのです。もし脱線しても方向性を戻す人もいて、白熱する中でも冷静さを失わない姿勢はとても勉強になりました。またどのレベルの人にも伝わる説明の仕方や意見の伝え方など、交渉術や立ち回りのスキルが自分とは段違いで、見習わなければと思う出来事ばかりでした。
セミナーでは思うように立ち回れなくて悔しい思いもしましたが、冷静に振り返ってみると、時間がたつほどに改めて一緒に参加した方々のすごさを痛感しました。これからグループワークやチームビルディングをする機会が増えるので、冷静に状況を判断しながらその時のメンバーに合わせて臨機応変に行動できるようになりたいと思っています。
今の経験が将来につながると信じて。
大学は人と関わり、行動に移すと新しい道が開かれる場所だと感じています。わたしは基本的に口数が少なく一人で考えることが多いのですが、新入生代表スピーチをしたことから声をかけてもらう機会が増え、新しい環境に飛び込むきっかけをつかみました。
英語英米文化学科はフランクな先生が多いです
また、TOEICなどを勉強する過程で先生方との接点が増えたことも自分を成長させるよいきっかけになったと感じています。TOEICは2020年4月時点では810点でしたが、先生方のアドバイスのおかげで最近の試験では940点まで伸ばすことができました。TOEICで実績を残せたこと、勉強やゼミのことを相談するなど先生方との交流が増えたことで先ほどのセミナーに参加したり学部の「PR大使」に任命されたり活動の場を広げることにつながりました。
季節のイベントを楽しみながら英語が学べるEnglish Lounge
2年生になってから通い始めた英語でコミュニケーションがとれる「English Lounge」では、学年や学部の枠を超えて交流する機会が増え、学外の活動では異文化交流のイベントでのボランティアや外国の方をアテンドするアルバイトをするなど、大学に入ってからは人との関わりから次々と新しい道が開かれ、多くの経験を積むことにつながっています。将来のことはまだ模索中ですが、開かれた新しい道がいつか未来につながると信じてこれからも行動していきます。
小吹さんからこれから大学を目指す皆さんにメッセージ