#022
2023.04.17
留学を経験することで身に付けた確かな英語力。友情は国境を越えて。
文学部英語英米文化学科横山 碧 さん
在学中にイギリスの語学研修とマレーシアの交換留学を経験した横山さん。1年次の語学研修で感じた後悔をバネに語彙力と会話力を伸ばしてマレーシア留学に挑戦。マレーシアでは国境を越えてアジア中の人たちと人間関係を築くほどコミュニケーション力を身につけ、大きく成長した横山さんをインタビュー。
「好き」を選ぶか「得意」を伸ばすか、迷った末の進路変更。
わたしは子どもの頃から車が好きだったので高校3年生までは工業系の大学を目指していました。しかし理系科目の難易度が上がるにつれて「理系は向いてないのではないか」と感じて進路を考え直すことに。好きなことのために苦手な科目でも頑張って勉強し続けるのか、得意を伸ばすのか…
5歳から英会話を習っていたので、得意を伸ばすなら英語を生かすことになりますが、理系と文系では進路が大きく変わります。ずっと工業系を目指してきたので随分悩みましたが、苦手を続けるよりも得意を伸ばした方が楽しめるかもしれないと思い、思い切って文系に進路変更しました。急な進路変更でしたが、今は車に関係したアルバイトをすることで車に携われていますし、得意を伸ばしたおかげで留学できたので、あの時に進路変更してよかったと思っています。
人生初の海外はイギリス。ハリー・ポッターの世界が目の前に!
大学に入るまで一度も海外に行ったことがなかったので、1年次に語学研修で行ったイギリスが初めての海外でした。
英語英米文化学科には春休みに約2週間、海外留学ができる「スタディ・ツアー」という語学研修があります。毎年対象になる国が変わりますが、わたしが参加した年はイギリスが対象だったのでオックスフォードにある語学学校に行きました。
研修では午前中に学校でイギリスの歴史や文化について学び、午後から勉強した施設や観光地などに行って理解を深めました。授業はすべて英語ですが、留学生向けにわかりやすく教えていただけるので、初めての語学研修でも授業についていくことができました。
子どもの頃からハリー・ポッターが好きで全シリーズを見ていたので、ロケ地であるオックスフォード大学やクライスト・チャーチなどを見学できてとても感動しました。
スタディ・ツアーでオックスフォードを訪れたときは感動しました。
初めての海外で経験した後悔。
初めての海外は楽しいことばかりでしたが、スピーキング力やコミュニケーション力が不十分だと痛感しました。
留学中にホストファミリーと話すとき、拙い英語で伝えることがやっとでした。また研修に参加した学生とばかり一緒に過ごして、先導してくださった先生に頼りきりだったので、もっと現地の学生や先生とコミュニケーションがとれていたら留学で得るものが違ったかもしれません。
「もっとこうしたらよかった」と感じたこともありましたが、この経験があったからこそスピーキングの勉強に力を入れるようになりました。
スタディ・ツアーには20人くらいの学生が参加しました。
コロナ禍も英語力を鍛えるために英語漬けの日々。
スタディ・ツアーから戻った後、すぐに新型コロナウイルスの影響で入国制限が始まったので、本当にギリギリのタイミングでした。
次は長期留学に行きたいと思っていましたが、留学どころか学校にも通えない状況に。しかし時間があるからこそ英語力を上げるチャンスだと思い、常に英語に触れることを意識しました。
例えばYouTubeで英会話の動画を見て実際に使えそうなフレーズを覚えたり、映画を英語音声と英語字幕で見て語彙力を上げたり。英語は好きですが、机に向かって勉強することは苦手なので、動画や映画を駆使して常にネイディブの英語を意識して勉強を続けました。
English Loungeで鍛えたスピーキング力。
スピーキング力はEnglish Loungeで磨きました。English Loungeは学部学科の垣根を越えて英語や英会話を学びたい学生が集まるところ。異なる学科の学生と交流できるので、英会話はもちろんいろいろな情報交換ができて面白いです。
対面授業が再開された3年生の秋頃から週に2~3回のペースで通い、4年生になってからは学生スタッフを務めて週に4回くらい通っています。学生スタッフとは学校が募集するアルバイトのこと。English Loungeは学校の授業と同じコマで開かれていて、それぞれのコマに合わせてテーマがあります。例えばMusic、Food、Travelingなどのテーマに合わせて、アクティビティを考えたり、英語のレッスンをしたりするのが学生スタッフの仕事。仕事をしながら一緒に会話を楽しめるので、語学力を伸ばしたい方にオススメです。
テーマをきっかけに自由に英会話を楽しめます。オンラインで名城公園キャンパスとつなぐことも。
学生スタッフの自己紹介はもちろんすべて英語!
就職活動か留学。悩んだ末の決断。
学生のうちに長期留学に行きたいと思っていましたが、コロナ禍で1、2年生は留学のチャンスがありませんでした。留学の募集が再開されたのは3年生の後期。ちょうど就職活動が始まる時期だったので留学か就職活動か悩みました。
この時期に留学すると卒業と就職の時期がずれてしまいます。そのため、就職の選択肢が狭くなってしまうかもしれないという心配がありました。しかし、今を逃したらこれから長期留学できるチャンスがあるかどうかもわからないので「留学するなら学生のうちだ」と考え、思い切って留学に行く決意をしました。
想像以上に苦戦したコロナ禍のビザ申請。
愛知学院大学の長期留学の制度は「交換留学」と「派遣留学」の2種類があり、それぞれ留学先や語学力、成績、奨学金の制度が異なります。わたしの場合「この国に留学したい」というよりは「長期留学したい」という思いの方が強かったので、秋学期の募集で英語圏、予算や奨学金が使えるという条件が合うマレーシアを選択しました。
留学を決めたもののコロナ禍でビザの手続きや隔離期間などのルールが刻一刻と変化する時期で、手続きには想像以上に時間を要しました。通常であればメールやwebで10日もあれば発給されますが、2カ月以上前から準備しても承認がおりませんでした。留学担当の方にも相談しましたが、結局入国予定日までにビザをとることはできず。不安な日々が続きましたが、東京にある大使館に出向き直接手続きをすることで、ようやくビザを取得することができました。何かと想定外のことに見舞われ、入国できたのは予定日の2週間後でした。
大学間のつながりがあるからこそすぐになじめた海外生活。
マレーシアに行ったことがなく一人暮らしをしたこともなかったので、現地での生活に不安がありましたが、以前愛知学院大学に来たことがあるマレーシアの学生を先生が紹介してくださったおかげで、いいスタートが切れました。生活のアテンドや観光案内、友人まで紹介してもらえたので、あっという間に現地の生活になじめました。
交換留学先のトゥンク・アブドゥル・ラーマン大学では、単位交換ができる「Culture & Communication」という講義をとりました。マレーシアの文化などを学ぶ講義ですが、英語英米文化学科の専門科目と似ている点が多かったので理解しやすかったです。しかし、1年次で行ったスタディ・ツアーのときとは違って、現地の学生と同じ立場で授業を受けるので、正しく理解できているか確かめるために、授業の内容やレジュメを日本語に訳すなどして復習に力を入れました。
休日は比較的時間に余裕があったので、家事をしたり自転車で買い物に出かけたりして、思っていた以上に自由に過ごせました。
留学中は現地で知り合った友人とたくさん観光しました。
マレーシアはシュノーケリングなど海のアクティビティがたくさんあります!
第二言語として英語を使うという文化。
マレーシアの面白いところは「多民族国家」ということ。アジア中からいろいろな人種が集まるので、マレー語、中国語、タミル語など日本では聞くことがないような言語がたくさん飛び交います。そのような環境なので「第二言語」として英語を使う人たちがほとんど。母国語を英語としている欧米とはまた雰囲気が異なります。例えば同じグループに中国人と欧米人と日本人がいた場合、中国人同士は中国語で話しますが、その他の国の人には英語で話すなど、とても自然な流れで言語が切り替わるのです。中には三カ国語を流暢に使い分ける人もいてとても驚きました。
英語を学ぶために母国語が英語の国に留学するという方法もありますが、どうしても語学力や表現力に大きな差が出てしまい、人によっては物怖じしてしまうことも。一方マレーシアは第二言語として英語を使うという同じ立場で学べるので、いい意味で気楽に英会話を楽しめて、積極的にコミュニケーションをとることができました。
また中国人が多いということもあり中国語を学べる環境もあります。マレーシアはたくさんの国の人と交流したい人や英語も中国語も学びたい方にオススメな留学先です。
留学を通してたくさんの国の人と出会うことができました。
物価が安いところもマレーシアの魅力。
留学中は学生寮で生活しました。寮は20階建てくらいの高層ビルで、共用エリアの他に個室が4部屋あり、各部屋にシャワーとトイレがあるので、留学前にイメージしていた共同生活よりも快適に過ごせました。
また、日本と比較すると物価が安いので、滞在費用も含めた留学費用はイギリス留学の1/3程度。費用を抑えられるのもマレーシア留学の良さです。食事も300円あれば満足できるくらい食べられますし、日本でも人気のナシゴレンやチキンライスの他に、美味しい食べ物がたくさんあるので食にも困りませんでした。
日本にはないマレーシア料理をたくさん楽しみました。左からチャークイティオ・チキンライス・サテー
マレーシアの豊かな自然を満喫。
マレーシアは観光やアクティビティが盛んなので、クアラルンプールやイポー、コタキナバルなどたくさん観光しました。
一番楽しかったのはリゾートアイランドであるランカウイ島とマンタナニ島。シュノーケリングやクルーズ、スカイダイビングなど、海外ならではの豊かな自然を満喫できました。語学留学なのでもちろん勉強が大事ですが、観光を楽しむことで、友情が深まったり現地の文化を知ったりできるのも留学の醍醐味だと思います。
ランカウイ島はエメラルドグリーンの海に囲まれたビーチリゾートです。
マンタナニ島はリゾートアイランドと言われるだけあって海がとてもきれいでした。
留学に行ったからこそ気づいた日本の生活水準の高さ。
イギリスとマレーシアの留学はどちらも充実した毎日を過ごせましたが、海外で生活することで改めて日本の生活水準の高さを理解しました。
日本ではどこでもおいしい水が飲めて、街もトイレも清潔なのが当たり前ですが、海外ではそうではありませんでした。水道水は飲めませんし、トイレにトイレットペーパーが無かったり、シャワールームが寒かったり・・・正直なところ衛生面ではカルチャーショックを受けました。
また、マレーシアでは車優先の考えがあるので、道路を渡るときは歩行者側が注意して急いで渡らなければなりません。日本のように時間にきっちり電車がくるのも、歩行者優先の考えが浸透しているのも、当たり前ではないんだということを実感しました。
日本しか知らなかったら日本の良さに気づかなかったかもしれませんが、海外に行ったことで改めて日本の生活水準の高さを感じられ、この環境に感謝できるようになりました。
大学で大きく広がる人間関係。友情は国境を越えて。
留学に行く前から英語の知識はありましたが、留学に行ったことで話すことに自信がつきました。
“話せる”と“自信がある”ではコミュニケーションのとり方に大きな違いがあります。自信がつくとコミュニケーションが楽しくなり、どんどん積極的になれるのです。そのため、自然と交流の場が増えて、国境を越えた友情を築くことができました。今はSNSでいつでも連絡がとれるので、帰国した後も頻繁に現地の友人たちと連絡をとりあっています。学生のうちにまた世界中の友人に会いにいきたいと思っています。
クアラルンプールの観光名所ペトロナスツインタワーは圧巻の迫力でした!
留学に少しでも興味があれば挑戦してみてほしい。
大学は全国から学生が集まるので、高校生までの人間関係とは違う新しい出会いがあります。特に英語英米文化学科は他の学科と比べて外国にルーツを持っている学生や海外経験のある学生が多いので、友だちとして話すだけでもいい刺激を受けられます。
長期留学をすると帰国後に同期生とは学年がずれてしまうので、そこがネックになって二の足を踏んでしまう人もいると思いますが、この学科は留学に行く学生が多いので、帰国後に孤立することはありません。また、まわりも理解があるので留学に行きやすい環境です。
愛知学院大学には奨学金など留学費用を支援する制度や語学の勉強をサポートする国際交流センター、日常的に英会話を楽しめるEnglish Loungeなど、英語を学びたい気持ちを支援する環境が整っているので、少しでも留学に興味があれば安心して挑戦してほしいと思います。留学することで海外旅行だけでは気づかない外国の魅力、文化やコミュニケーションの違いなど今まで気づくことのなかった発見がたくさんあります。そして多くの経験を通して、大きく成長する自分に気づけるはずです。